運用監視オペレータはどのような仕事をしているの?
今回はそのような疑問を思っている方に向けて、実際にどのような仕事をしているのか、どんなスキルが必要なのか、どんなキャリアパスが選択肢としてあるのかを分かりやすく解説します。
実際にオペレータの教育やトロールをする仕事や運用の設計をした視点から求人サイトでは詳細まで語られない部分まで紹介しますので、ぜひ気になった方はご覧になってみてください。
目次
運用監視オペレータの仕事内容
システム監視
サーバーやデータベースなどのシステムの稼働状況をリアルタイムで監視し、性能やリソース使用状況の管理を行います。
異常が検知された場合には、すでに決まっている手順に沿ってシステム保守エンジニアへの報告やシステムの調査、復旧作業を実施します。
異常の種類によってはサービスが利用できなくなる可能性もあるので、緊急度が高い業務になります。
アプリケーション監視
システムのメイン処理となるアプリケーションからエラーメッセージを受け取った際に、システムエンジニアに状況を報告したり、システムを利用しているユーザ側への情報連携をしたりします。
エラーの内容により原因の究明と復旧作業が必要な場合があります。
その場合オペレータは用意された作業フローに沿って、実際にプログラムの実行をしたり対応策の検討のインプット情報となるデータの収集をしてエンジニアへ連携するという対応を取ります。
ネットワーク監視
ネットワークトラフィックや通信状況を監視し、ネットワーク障害の早期発見と対応を行います。ネットワークの安定性とセキュリティを維持する役割を果たします。
エラーが発生した場合は、ネットワーク機器の状態や機器同士をつないでいるケーブルの状態や信号を確認して、場合によってはネットワーク機器やケーブルの交換をするという対応を取ります。
システムデータ取得
監視システムやツールを使用して、システムやネットワークのデータを収集します。
収集されたデータは、システムの異常発生の予防や改善のためのインプット情報として用いられます。
お客様納品物の作成
監視結果やトラブルの解決状況の記録、業務データなどを収集しお客様やエンジニアへ報告書や納品物を作成します。
決まったタイミングで作業を行い、お客様への納品物となるため確実な資料作成や整理が求められます。
必要なスキルや能力
運用監視オペレータは専門性が高いスキルや突出したスキルを求められることはありませんが、確度が高い業務遂行が求められます。
特に必要とされるスキルは以下で解説する3つとなります。
電話対応
トラブル発生時にはお客様や関係者と電話でコミュニケーションを取ることがあります。
1つの伝え間違いがシステムやお客様のサービスに大きな被害を及ぼしかねないため、正確な報告・連絡が求められます。
パソコン基礎スキル
監視ツールの操作や報告書作成などには基本的なパソコンスキルが必要不可欠になります。
Microsoft OfficeなどのソフトウェアやWindows、Linuxなど各OSのコマンド操作を覚えておくと役に立ちます。
仕事の正確さ
オペレータの業務は正確さが求められます。
リリース後のシステムに一番操作する機会のあるオペレータによる作業ミスがシステムの障害となってしまう事もあります。
集中力や注意力が散漫な人はあまり向いていない業務と言えます。
メリットとデメリット
メリット
ほとんど残業がない
運用監視オペレータはシフト制でほとんど残業がありません。
シフトが決まってしまえば、プライベートの予定が立てやすくなります。
深夜帯勤務があり給与が高くなる
基本的に2交代制(※)で行われることが多く、勤務日の半分くらいの割合で夜勤が発生します。
深夜帯の勤務は日中帯の勤務と比較して給与が高くなるため、同じ通常勤務で働いている人たちより給料が多くなるというメリットがあります。
※2交代制とは?
24時間を9時~21時(1直)、21時~翌日9時(2直)の2つに勤務時間を分割し交代制でシフトを組む勤務体系のことです。
休みが多くなる
2交代制をとっていると、夜勤が発生するのと同時にその日の勤務が免除されます。
そうすると週に休みが3日、4日と通常勤務の人より実質休みが多くなることがあります。
働く時間が減って給料が減るかと思いきや、深夜帯勤務分の手当てで通常勤務の方と変わらない、むしろそれ以上の額の給料をもらうなんてこともあります。
デメリット
周囲の人と予定が合わせづらい
シフト勤務のため、休みが事前に決まるというメリットはあるものの、休みのタイミングは不定期で土日の休みが取れないために家族や友人との予定調整が難しいという面もあります。
生活リズムを崩す可能性がある
深夜帯の勤務により、睡眠がうまく取れず生活リズムが乱れる可能性があります。
実際に働いている方も聞いても、始めはなかなか慣れずに苦労したという方もいらっしゃいました。
スキルアップの限界値が低い
システムエンジニアなど、IT業界に関わるエンジニアに比べ、運用監視オペレータのスキルアップの機会が限られていることがあります。
基本的にはルールや作業の手順がきっちり決められそれに沿って業務を行えばよいという、スキル的な優しさはありますが、スキルアップを目指しているのであれば業務外に自身で勉強することは必要不可欠になります。
オペレータからのおすすめキャリアパス
保守運用エンジニア
オペレータで実施してきた業務経験が直接活かすことができる職種ですね。
業務に物足りなさを感じたり、自分で考えて何かを作る側の仕事をしたくなったらぜひおすすめしたいキャリアパスです。
保守運用エンジニアになることで定例的な業務に加えて運用の設計構築やツールの開発を任されるようになりさらなるスキルアップも期待できます。
業務や役割的にも近しい存在のため、転職の難易度も低めです。
インフラエンジニア
少し難易度は高いですが、オペレータからインフラエンジニアになるというのも1つのいいキャリアパスなのではないかと個人的には思います。
インフラエンジニアは専門性が高い職種なので、できれば若いうちに転職をするのがおすすめです。
(新卒2年間オペレータ → 第二新卒でインフラエンジニア のようなイメージ)
オペレータの業務でも実際にシステムを触れることが多いため、そのような点ではインフラエンジニアと共通する部分があるのでキャリアパスの1つとして提案します。
オペレータの統括管理担当
通常業務がしっかり身につけば、オペレータのメンバや業務の全体の責任者として運用監視オペレータの統括になることが1つのキャリアパスとして存在します。
チームのコントロールが必要であるため、コミュニケーションやマネジメント、教育スキルが求められます。
責任も大きくなりますがオペレータから給料アップも見込めるので、IT技術に自信ないが、ヒューマンスキルなら自身があるという方は、オペレータからそのまま統括担当を目指すという選択肢もありかなと思います。
結論:運用監視オペレータはあり?
未経験からIT業界に入る時の第1歩目として、運用監視オペレータに転職するという選択はありだと思います。
個人的には、生活リズムの安定感とさらなるキャリアアップためにオペレータ業務を2年くらい経験したら、上記のような職種へ転職することをおすすめします。
もちろん、実際にオペレータをしている方で家庭を持ち、私生活とのバランスをうまく保ちながら満足感をもって生活している方もいます。
運用監視オペレータの仕事は、システムやネットワークの安定運営とトラブル解決に大きく貢献します。
その仕事内容や特徴にはメリットとデメリットがありますが、自分のライフスタイルやキャリア目標に合わせて慎重に検討することが重要です。
本記事以外に未経験からIT業界への転職を考えている方向けに有益な情報をお届けしていますので、ぜひ以下のリンクから関連記事を覗いてみてください。
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