残業代込みの年収は錯覚だった|30代目前で気づいた“お金とキャリア”の現実

コラム

 本ページはプロモーションが含まれています。

本記事では運用保守エンジニアの私がアラサーと呼ばれる年になって感じていることをつらつら書いています。
今の現状を踏まえてもう少し若手の頃にしておけばよかったと思う事や、今何を考えているのかを本音で書きました。
給料について何かしらモヤモヤと感じることがある人に、共感してもら得たり何か気付きを与えることができれば幸いです。

若手時代に年収500万円を突破した錯覚

私は大卒でITシステムの運用保守を生業とする会社に所属しており、転職は未経験の身です。給与水準は平均ですが、若手ながら少しばかり忙しくさせてもらっており、社会人5年目あたりで年収500万円を突破していました。若手でこの水準を稼げている人はそう多くなく、私は同世代より若干稼いでいるという優越感を持っていました。
「このままいけば平均より上の年収で推移するだろう」と錯覚し、将来に対して根拠のない安心感を抱いていたのです。

もちろん、上には上がいて、その人たちに憧れて年収アップを視野に転職を考えた時期もありました。しかし最終的には現状維持を選び、満足してしまったのです。

転換点は部署異動

その後の転換点は、部署異動でした。異動先では残業がほとんどゼロになり、年収はガクッと落ちました。
忙しかった以前の部署とは違い、残業するほどの仕事がなく、しかもコスト管理が厳しい部署。残業を増やすことは簡単ではありませんでした。

始めは残業が減って自身の自由な時間が増えることに喜びを感じましたが、異動後初めての給料日を迎えたときそれは不安に変化していきました。
こうして気づいたときには、周りと比べて自分の年収が低くなっていたのです。

錯覚に気づいた後に感じたこと①

残業代が大幅に減少したときから、いつになく年収というものに敏感になりました。周りの友人や同僚が年収アップを狙って転職した話や独立して稼いでいる友人の話を聞いたりすると、少し妬みのような感情が生まれてくるのです。そして過去、なんで転職をしようと思わなかったのかという後悔やこれからどうしようという不安に襲われることもありました。
さらに時代は自動化が進み、これまで人間が担ってきた作業はどんどん減るとされています。残業代をあてにする働き方は、今後ますますリスクが高まると考えるようになりました。
「残業が常にある」という錯覚に陥り、残業代ありきで年収を換算するのは危険だと痛感したのです。
しかし大切なのは周囲との比較ではなく、自分自身の現状を正しくとらえることでした。

錯覚に気づいた後に感じたこと②

そんなこんなでいろいろ悩んだ末、自分自身に疑問に思う事がありました。
『自分はいったいいくら年収をもらえれば満足するんだ?』
今までは周りの人と比べて高かったらいい、とか、世間一般の平均年収より上回っていれば安心。とかそのくらいの基準でしか自身の満足度を計ったことがなかったのです。

極論比較相手が、スポーツ選手や芸能人、大物Youtuberやどこかの社長と比べていたら比較による満足なんてないのです。きれいごとでも何でもなく年収は他人との比較で満足を得るのではなく、自身がどのくらい将来お金を必要としているのか。それに対して現状、十分満たせる見込みがあるのかという確実性を得ることでないと自身の欲求は満たされないのだと気づきました。

大切なのは周囲との比較ではなく、自分自身の現状を正しくとらえることでした。

若い世代に伝えたいこと(20代へ)

入社1~3年目くらいの自分にアドバイスをするなら5つあげます。

  • 年収は人と比較してもいいが、自身が満足する理由にするな
  • 周囲の人の年収を聞き出せ
  • 残業代込みの年収のモノサシは捨てよ
  • 給与体系を理解し、3シナリオで年収予測を立てよ
  • 職場では転職を視野に入れた人間関係を構築せよ

それぞれもう少し分解して書いています。

年収は人と比較してもいいが、自身が満足する理由にするな

これは私の過去の体験として上述していますが、他人や世間一般の年収と比較して、優劣で自身の将来を決めてはいけないという事です。
他人と比較して年収が高かった場合、短期的な優越感に自信が満たされることはあるかもしれませんが、自身が理想とする生活に対して及ばない可能性は大いにあります。逆に周りの人に比べて年収が低かった場合にでも、実は自身が理想とする生活を送る水準に達しており、そこで感じる不安は取り越し苦労だった。なんてこともあると思います。

周囲の人の年収を聞き出せ

他人と比較して満足するな!と言っておきながらこんなことを書いていますが、他業界や他職種の給料を聞くことは自身の将来の選択(転職)をするうえでよい材料になるので集めておくと良いでしょう。
また同じ会社の人にも年が近い先輩や上司、役員(これは難しいかもですが)の年収を聞いておくと、現状自身が置かれている立場から将来設計をした場合の基準になるので、できるなら集めておいた方がいいと思います。

残業代込みの年収のモノサシは捨てよ

これも上述していますが、今当たり前のように発生している残業はいつなくなるかわかりません
ネットで転がっている年収情報も他人から聞く年収もそれと比較する自身の年収も残業代は差し引いた額で比較をするべき。
友人の年収を聞くときは、聞きづらいかもしれないが、固定残業代制がとられているならそれを差し引いた額、基本給を聞いてみましょう。

給与体系を理解し、3シナリオで年収予測を立てよ

これは少し手間なのですが、時間をかけてでもやることをおススメします。
自身の会社の給与体系を理解し、昇給、昇進のタイミング、各レイヤーに応じた基本給のレンジを確認して、順調に昇給、昇格した場合のハッピープラン、無難に昇給、昇格したばあいのノーマルプラン、うまくいかなく思った通りの昇給、昇進ができなかった場合のバッドプランの3つを立てて、各収入で自身が思い描く生活ができるのかをチェックするのです。
その前提として自身がどのくらいお金が必要なのかの計算をしなければいけないのがさらに手間なのですが、これはぜひ時間をかけてやってみてください。

職場では転職を視野に入れた人間関係を構築せよ

これは過剰なほど義理人情を持っているひと(私もこの類と自負)のみ該当しますが、要するに自分が転職しづらい空気を作らないようにした方がいいという事です。
同僚や上司と仲良くするなと言っているわけではありませんが、いつしか転職というカードを切りたくなった時に、精神的にブロックをかけないように工夫をする必要があると思います。
私は失敗している側の人間なので反面教師的なアドバイスしかできないのですが、あまり頑張るアピールをするなというのが簡単なまとめです。昇給、昇格をするうえでバイタリティが評価されることは今時ないと思うのでここは割り切っていった方が自分のためになると思います。
これは声に出す出さないに限らず、自身が頑張ろうとする理由に「会社のため」だとか「今までお世話になった上司のため」という発想は捨てた方がいいという事です。素晴らしいことですが、後々身を滅ぼしかねない考えなのでほどほどにしておきましょう。

アラサー(私)の選択

残業が減り年収がガクッと下がったタイミングで、単純に転職して年収を上げるのか、これまで築いた信頼や実績を土台に昇進を狙っていくのか──その間で悩んでいましたが。
上述でいろいろ偉そうなことを言っていても、結局私は今、現職で頑張ることを選択しています。
勤続年数を重ねてきたからこそ判断は慎重になっていることもその要素の一つですが、理由は年収以外に、職場環境や居心地の良さ、やりがいのある仕事、尊敬できる上司など多くのプラス要素があるからという理由もあります。
それでも、もし今後の年収予測が納得できないものなら、転職か副業を選択肢に入れる必要があると考えています。株や不動産のような大きな投資に挑むのは、年収450万円前後のアラサーにとって相当な覚悟が必要で、私はそのリスクは取らないと決めています。

転職をしないという選択を取っていますが、年収を諦めたわけではありません。その中でも「超順調に昇格するハッピープラン」をベースに目標を立て、もし達成が難しいと感じれば転職で短期的に年収を上げる方法を取るつもりです。さらにリスク低減のために副業も始めようとしています。

まとめ|残業代込み年収に惑わされず、自分の未来を見極める

結局何が正解かは、自分が何を求めているかによります。
私が伝えたいのは、年収という基準は自分の望む生活水準に達するかどうかで判断すべきだということ。そしてそのとき、残業代を含めて換算しないことです。

私は失敗から気づくのが遅れました。だからこそ、この記事が若い世代や同世代の方にとって、現状を見極めるきっかけになればと思います。

本ブログでは運用保守エンジニアについての情報発信を行っています。
運用保守エンジニアの給料事情についての記事もありますので、ぜひご覧になってみてください。

いけやん

いけやん

現役システムエンジニアのいけやんです。 駆け出しシステムエンジニアやIT業界に転職を考えている方のために有力な情報発信をしていきます!

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CLOSE