AWS試験対策(CLF/SAA):EC2の特徴をわかりやすく整理してみた

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本記事は、AWSのコンポーネントであるEC2、EBS、インスタンスストアについて試験向けの解説記事になります。

実際に私がAWS認定資格勉強をしていた際に、「いつまでも覚えられない」「わかりづらい」と思った箇所を初学者でもスッと入ってくるような整理をしてみました。AWS認定資格の勉強している方は試験対策としてぜひ参考にして頂ければと思います。

EC2/EBS/インスタンスストアの概要

特徴や使い分け

EC2はAWS上で仮想サーバーを提供するサービスで、アプリケーションを動かす“本体”です。そのデータを保存するために利用するのがEBS、そして一時的なデータを保存するための作業領域として使うのがインスタンスストアです。

コンポーネント 役割 特徴 主な使い分け
EC2 サーバー本体 OSやアプリケーションを動かす サービスの中核を担う仮想マシン
EBS 外部ストレージ 停止してもデータが保持される 永続データ保存(設定ファイル、ログなど)
インスタンスストア 一時ストレージ 停止するとデータが消えるが高速 一時ファイル、キャッシュ処理など

EC2周りの構成は“距離感”でイメージするとより分かりやすくなります。
EC2がメインのサーバーで、EBSは少し離れた場所にある倉庫、インスタンスストアは机の上のメモ帳のような関係です。つながってはいるけれど役割が異なります。EC2が実行されると、ルートボリュームとしてEBSが接続され、OSや設定情報を永続的に保持します。一方、インスタンスストアはインスタンスと同じ物理ホスト上に配置され、一時的なキャッシュや高速なI/O処理に使われます。つまり、EBSは「永続的な記録用」、インスタンスストアは「一時的な作業領域」、EC2は「処理を実行する主体」という関係です。これらを正しく使い分けることで、コストと性能を最適化できます。

💡 試験ポイント:「EBS=永続的」「インスタンスストア=一時的」というキーワードをセットで覚えましょう。

EC2/EBS/インスタンスストアの料金発生トリガー

EC2やEBSは「どんな操作をしたときに課金が発生するのか」を理解しておくことが大切です。これは試験でもよく問われるポイントです。

対象 課金のタイミング 試験での注意点
EC2 インスタンスが「稼働中(running)」の間 停止中は課金されないが、EBS分は残る
EBS ボリュームを保持している間 停止していてもデータを保存している限り課金される
インスタンスストア EC2稼働時のみ 停止するとデータも削除されるので課金も終了

💡 覚え方:「EC2は動いてる間」「EBSは存在している間」。

 

EC2の弾力性とは?

EC2について試験では「弾力性(Elasticity)」とは何かという問いが頻出傾向にあります。
弾力性とは、必要に応じてサーバーの数や性能を増やしたり減らしたりできる柔軟性のことです。たとえば、普段はアクセスが少ないけれど、セール時やイベント期間だけアクセスが急増するようなサービスを想像してみてください。EC2では、そんなときにサーバーをすぐに追加し、アクセスが落ち着いたら減らすことができます。

この仕組みのおかげで、使わない時間に無駄なコストを払う必要がなく、必要なときに必要な分だけ使うという効率的な運用が可能になります。

また、弾力性は単に「増減できる」だけでなく、スピーディーに対応できる点も重要です。物理サーバーを購入して設置する場合は数週間〜数ヶ月かかるところを、EC2なら数分で新しいサーバーを立ち上げられます。

💡 覚え方:「弾力性=ゴムのように伸び縮み」してリソースを調整できる性質。

EC2のサービス種類

EC2には、利用目的やコストに応じていくつかのサービス種類があります。ここでは、試験に出やすい「スペック」「料金モデル」「利用形態」に分けて整理します。

スペックの概要

EC2のインスタンスタイプの命名規則を理解しておくと、スペックの意味がぐっと分かりやすくなります。
たとえば t3.micro というインスタンス名の場合、以下のように読み解けます。

  • t:タイプ(T系=低コスト・バースト可能なタイプ)
  • 3:世代番号(数字が大きいほど新しい世代)
  • micro:サイズ(vCPUやメモリ容量を表す)

このように、インスタンスタイプ名は「タイプ」「世代」「サイズ」の3要素で構成されており、どんなスペックかを名前だけである程度判断できます。
EC2のインスタンスにはさまざまなタイプがあり、CPU・メモリ・ネットワーク性能のバランスが異なります。代表的なカテゴリは以下の通りです。

タイプ 特徴 主な用途
T系 低コストでバースト性能あり 開発・検証環境、軽量Webサーバー
C系 CPU重視 計算処理やバッチ処理などCPU負荷の高い処理
R系 メモリ重視 データベース、キャッシュサーバーなど
M系 バランス型 汎用的な業務アプリケーション

料金モデル

EC2の料金モデルは、使い方や目的に合わせて選ぶことができます。それぞれの特徴をざっくり整理しておくと、コスト面で失敗しにくくなります。

オンデマンド

必要な時だけ使用できる、まさに“予約不要の自由席”のようなイメージです。サーバーを起動している時間だけ料金が発生し、止めれば課金も止まります。短期的な利用や検証環境にぴったりです。

スポットインスタンス

AWSの空きリソースを格安で使えるモデル。オンデマンドよりもかなり安い(最大90%引き)ですが、AWS側の都合で一時的に利用できないこともあります。つまり「遅れても大丈夫な処理」に最適。バッチ処理や一時的なデータ解析などに使われます。

リザーブドインスタンス

1年または3年契約をする代わりに、大幅な割引を受けられるモデルです。オンデマンドよりも安く、断続的に稼働するシステムにも向いています。常時稼働する本番環境など、安定した利用が見込めるケースで効果を発揮します。

Savings Plans

こちらも1年または3年契約ですが、リザーブドインスタンスより柔軟です。期間中の利用量に上限がある代わりに、インスタンスタイプやスペックを変更しても割引が維持されます。リザーブドインスタンスは特定のインスタンスタイプやリージョンに固定されますが、Savings Plansでは柔軟に変更できる点が最大の違いです。つまり、「長期利用するけど途中で構成を変えるかも」というケースに最適です。

モデル 契約期間 柔軟性 主な特徴 向いている使い方
オンデマンド なし ◎ 高い 予約不要・従量課金 検証環境・短期利用
スポットインスタンス なし ○ 普通(AWS側で停止の可能性あり) 最安だが中断リスクあり 一時的なデータ解析やバッチ処理
リザーブドインスタンス 1年/3年 △ 固定的 長期契約で大幅割引 常時稼働する本番環境
Savings Plans 1年/3年 ○ 中程度 長期割引+構成変更が可能 長期運用だが構成変更の可能性あり

専有ホストとハードウェア専有インスタンスの違い

EC2を専有する必要があるのは、他の組織やユーザーと物理サーバーを共有せず、セキュリティやライセンスの制約を満たすためです。専有ホストとハードウェア専有インスタンスは、どちらも物理ホストを占有する仕組みですが、管理範囲と利用できる権限が異なります。

  • 専有ホスト
    AWSアカウント単位で物理ホストを占有し、他組織とのサーバー共有を回避できます。物理ホストの管理権限もあり、ユーザーごとの占有やライセンス管理も利用者側で実施できます。
  • ハードウェア専有インスタンス
    AWSアカウント単位で物理ホストを占有し、他組織とのサーバー共有を回避できますが、物理ホスト内の管理権限はAWS側にあります。そのため、ユーザーごとの物理ホストの占有やライセンス管理はできません。

💡 覚え方:会社単位で物理サーバーを占有できればよい場合はハードウェア専有インスタンス、部署ごとに物理サーバーを占有したい場合は専有ホスト

項目 専有ホスト ハードウェア専有インスタンス
占有範囲 AWSアカウント単位(部署単位で制御可) AWSアカウント単位(全体で共有)
他組織との共有 不可 不可
部署間共有 可(部署ごとに専有可能) 不可(アカウント全体で共有)
管理権限 利用者が物理ホストを制御可能 AWSが制御
主な用途 ライセンス管理、部署単位の分離 組織単位での物理分離

 

EC2の構成とベストプラクティス(可用性を高める設計)

EC2は1台だけでも動きますが、信頼性を上げるなら複数の場所に分けて配置するのが基本です。

 マルチAZ構成(高可用性)

AZ(Availability Zone/アベイラビリティゾーン)は、AWSが提供する物理的に独立したデータセンターのことです。
1つのデータセンター(AZ)が落ちても、別のAZにあるEC2が動いていればシステムは止まりません。

  • AZ(アベイラビリティゾーン)=物理的に独立したデータセンター
  • マルチAZ構成=別々のAZに同じサーバーを配置しておくこと

💡 イメージ:「同じ内容のサーバーを2カ所に置く」=片方が壊れてももう片方が動く。

 マルチリージョン構成(災害対策)

国や地域レベルの災害に備える設計。東京リージョンと大阪リージョンに同じ環境を用意しておくことで、地震や停電が起きても切り替えて動作可能になります。

💡 「マルチAZ=高可用性」「マルチリージョン=災害対策」とセットで覚えましょう。

EC2とオンプレミスの違い

オンプレミスではサーバーを買う、設置する、電源や空調を管理する…と手間が多いです。EC2ならそれを全部クラウド上で済ませられます。

比較項目 オンプレミス EC2(クラウド)
準備期間 数週間〜数ヶ月 数分で起動できる
拡張性 台数を増やすのが大変 簡単にスケールできる
保守 自分で管理 AWSがハード部分を管理

💡 キーワード:「柔軟性(Flexibility)」=必要なときだけ使えること。

まとめ:EC2は“柔軟に使えるクラウドサーバー”

この記事では、AWS認定試験(CLF・SAA)で頻出のEC2に関するポイントを整理しました。
EC2の仕組みを「なんとなく覚える」ではなく、「どうしてそうなっているのか」という構造で理解しておくと、試験だけでなく実務でも役立ちます。まずはキーワードを見て思い出せるレベルを目指して復習していきましょう。

いけやん

いけやん

現役システムエンジニアのいけやんです。 駆け出しシステムエンジニアやIT業界に転職を考えている方のために有力な情報発信をしていきます!

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