運用保守エンジニアとして活躍し続けるには、何を学ぶべきかを明確にし、計画的に進めることが重要です。
本記事では、独学やオンライン学習が可能で、資格取得が実務スキルにつながる技術を厳選しました。
まずは運用保守の核となる各分野(インフラ、スクリプト/自動化、クラウド、セキュリティ、DevOps・コンテナ)について、初心者の方にもイメージしやすい具体例を交えて解説します。
記事の最後には「初心者向け優先度付き学習ロードマップ」を配置していますので、ぜひ最後までご覧になってください!
基礎的なITインフラ技術
運用保守の土台となる“核”の技術群です。
これらを理解しないと、トラブル切り分けや日常運用が成り立ちません。
例えば、サーバーがダウンした際に、ネットワーク障害なのかOSの問題なのか瞬時に判断できる力は、エンジニアの命綱ともいえます。
ネットワーク技術
ネットワークはコンピュータ同士が“会話”する仕組みです。
ファイルサーバー接続不能やWebサイトへのアクセス障害など、日常のトラブルの多くはネットワーク起因。
理解すれば原因究明と迅速復旧が可能になります。
オペレーティングシステム (OS)
OSはサーバーやPCを動かす“司令塔”です。
ログイン認証、ファイル操作、サービス起動・停止を掌り、システムの根幹を支えます。
緊急時にOS操作で被害拡大を防ぐ技術は、現場での信頼を一気に高めます。
自動化・スクリプト技術
業務を効率化し、ヒューマンエラーを防ぐ“効率化の核”です。
例えば、毎朝のログ収集や障害レポート作成を自動化すれば、手作業の手間が減り、重大障害対応に集中できます。
シェルスクリプト・バッチスクリプト
無料チュートリアルで学べる基本から、バックアップやログ解析スクリプトを作成。
シンプルな自動化から始め、徐々に複雑な処理に挑戦しましょう。
Python・PowerShell
API連携や大量データ処理に強いPython/PowerShell。
複数サーバのログをまとめて取得・解析するツールを自作し、作業時間を大幅短縮できます。
構成管理ツール(Ansible等)
Infrastructure as Codeで数十台のサーバ設定を一括管理。
Ansibleハンズオンで運用ミス削減を体験し、効率的な運用設計を学びましょう。
クラウド技術
今やシステムの多くがクラウド上で運用されており、“必須インフラ”です。
オンプレミスでの復旧に数時間かかるトラブルも、クラウドなら数分で代替環境を立ち上げられます。
クラウドコンピューティングの基礎
AWS/Azure/GCPの無料トライアルで仮想ネットワーク、ストレージ、IAMの仕組みを体験。
クラウド全体像を掴むことが最初の一歩です。
クラウドインフラ運用
EC2やCompute Engineの構築、ストレージ管理を実践。
スケールアップ・ダウンやコスト最適化を習得し、クラウド運用の要点を押さえましょう。
クラウド監視ツール
CloudWatchやAzure Monitorでアラート設定→異常検知→通知の流れを体験し、クラウド環境の安定運用を学びます。
セキュリティ技術
システムを守る“最後の砦”です。
脆弱性対応の遅れは大規模漏えいのリスクにつながるため、即応できる体制構築が必須です。
基本的なセキュリティ概念
ファイアウォール、IDS/IPS、脆弱性スキャンを学び、攻撃から守る仕組みを理解します。
システム監視とログ分析
SplunkやELKを使い、セキュリティログを収集・解析。
不正アクセスや異常挙動を早期発見するスキルを身につけましょう。
アクセス管理・認証技術
Active DirectoryやLDAP、多要素認証(MFA)の設定を通じて、実運用に耐える認証基盤を構築します。
DevOpsとコンテナ技術
インフラ運用を根本から変える“次世代の核”です。
コンテナ化で環境差異によるトラブルを大幅に削減できます。
DevOps基礎
CI/CDの概念を学び、JenkinsやGitHub Actionsで自動ビルド→テスト→デプロイのパイプラインを構築します。
Docker・Kubernetes
Dockerでアプリをコンテナ化し、Kubernetesで自動デプロイ・スケーリングを体験。
初心者向け優先度付き学習ロードマップ
初心者の方は、まず初めに何から学ぶべきか迷ってしまうと思います。
そこで上記で解説した技術を6フェーズで学習順序を明確化しています。
各フェーズで「学習内容」「理由」「おすすめ教材」をチェックして、計画的に進めましょう。
フェーズ①:OS基礎
- 学習内容:Linuxコマンド操作
- 理由:すべてのサーバはOS上で動く
- おすすめ教材:Udemy「ゼロからできるLinux入門」
フェーズ②:ネットワーク基礎
- 学習内容:TCP/IP、ルーティング
- 理由:トラブル切り分けの基盤
- おすすめ教材:Udemy「CCNA完全マスター講座」
フェーズ③:スクリプト自動化
- 学習内容:シェル→Pythonログ解析
- 理由:業務効率を劇的に向上
- おすすめ教材:Progate Pythonコース
フェーズ④:クラウド基礎
- 学習内容:AWSアカウント→EC2構築→監視設定
- 理由:クラウド運用は主流化
- おすすめ教材:AWS公式クラウドプラクティショナー学習パス
フェーズ⑤:セキュリティ基礎
- 学習内容:ファイアウォール、脆弱性スキャン
- 理由:運用保守は守りの仕事
- おすすめ教材:Udemy「Security+完全対策講座」
フェーズ⑥:DevOps/コンテナ
- 学習内容:Docker→Kubernetesハンズオン
- 理由:インフラのコード化が標準
- おすすめ教材:Docker Certified Associate対策コース
まとめ
本記事では、運用保守エンジニアに必要な核となる技術を、初心者にもわかりやすい具体例とともに解説しました。
インフラ、スクリプト・自動化、クラウド、セキュリティ、DevOps/コンテナの5分野を理解することで、トラブル対応力も効率化スキルも飛躍的に向上します。
最後に、優先度付き学習ロードマップをもとに、一歩ずつ着実に学習を進めてください。
計画的に取り組むことで、最短最速で現場で活躍できる運用保守エンジニアへと成長できます。ぜひ今日から、学びの第一歩を踏み出しましょう!
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