運用監視オペレータとして働いていると、「このままこの職種を続けていいのだろうか?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。
運用監視オペレータの方が抱える可能性のある課題について、運用保守エンジニアとしての視点、実際にオペレータさんと会話した内容を踏まえて細かく考察していこうと思います。
読者の皆さんが自身のキャリアをどうするべきか判断するための材料になれば幸いです!
目次
運用監視オペレータをやめる理由5選
① キャリアアップの選択肢が限られる
キャリアアップを目指す方にとっては運用監視オペレータに長くいるという事は得策ではありません。
運用監視オペレータとして経験を積み厚い信頼を得られたとしても、基本的に役職階級が存在しないので組織の中でのキャリアアップは期待できないのです。
運用監視オペレータの仕事は、システムの安定稼働を守る重要な役割を担っており、その経験はITエンジニアとして貴重なものではあります。
しかし、運用監視の業務の多くはルーチンワークになります。
スキルの幅が広がりにくいという側面があり、運用監視の経験だけではインフラエンジニアや開発エンジニアといった上流工程の職種へのステップアップが難しい場合もあるのです。
長い目でITエンジニアとしてキャリアアップを経験を積むことを考えるのであれば、多少スキルがなくても専門性が高い職種から始める人も少なくはありません。
② 市場価値が上がりにくい
運用監視の業務では、監視ツールのアラート確認、手順書に従った対応、障害時のエスカレーションなどが中心となります。
このような業務は、ITの基礎知識を身につける上では有益ですが、技術的なスキルを深める機会が少ないのが実情です。
特に、自動化やクラウドの普及により、単純な監視業務の需要は今後減少する可能性があります。
そのため、スキルアップしないまま運用監視の仕事を続けると、市場価値が下がってしまうリスクがあります。
③ シフト勤務・夜勤が身体的・精神的負担になる
多くの運用監視の現場では、24時間365日体制での勤務が求められます。
そのため、夜勤や不規則なシフト勤務が発生し、生活リズムが乱れがちです。
夜勤が続くと、睡眠不足や体調不良を引き起こしやすくなり、健康面でのリスクが増えます。
また、深夜の業務は精神的なストレスも大きく、長期間続けるのが難しいと感じる人も多いでしょう。
④ 給与・待遇が伸びづらい
運用監視オペレータの給与は、IT業界の中では比較的低めに設定されていることが多いです。
特に、経験年数が増えても業務内容が変わらない場合、給与の上昇がほとんどないケースもあります。
また、シフト勤務や夜勤手当が含まれている場合、それが収入の大部分を占めることもあり、日勤のみの職種に移ると給与が大幅に下がる可能性があります。
将来的な収入アップを考えたとき、別の職種への転職を視野に入れる人も少なくありません。
⑤ 業務が単調でモチベーションを維持しにくい
運用監視の業務は、アラート確認や手順書に沿った対応が中心で、変化が少ないことが特徴です。
日々の業務がルーチン化しやすく、新しいことに挑戦する機会が限られるため、仕事へのモチベーションを維持するのが難しいと感じる人もいるでしょう。
特に、成長意欲が高い人にとっては、同じような作業を繰り返す環境がストレスになることもあります。
運用監視を続けるメリットはあるのか?
IT未経験からの入り口としての価値
運用監視オペレータは、IT業界に未経験で入るための入り口としては非常に有効な選択肢です。
業務を通じて、サーバやネットワークの基礎知識を学ぶことができ、実際のシステム運用に触れる機会があります。
また、未経験者を積極的に採用する企業も多いため、IT業界に入りたい人にとっては足掛かりとなる仕事と言えるでしょう。
他の職種に移るためのステップにできる
運用監視の経験は、適切なスキルアップをすれば、運用保守エンジニアやSRE(Site Reliability Engineer)、クラウドエンジニアなどの職種へとキャリアアップする足がかりになります。
そのため、運用監視の仕事をしながらスキルを磨き、次のキャリアを目指すという戦略も有効です。
ただし、何もせずにただ業務を続けるだけでは、将来的な選択肢が狭まってしまう点には注意が必要です。
運用監視オペレータはやめるべき?続けるべき?判断基準
運用監視を続けるべき人の特徴
- IT業界の基礎を学びながらじっくりキャリアを考えたい人
- 夜勤・シフト勤務が苦にならず、安定した職を求める人
- すぐにスキルアップ・転職を考えていない人
運用監視をやめたほうがいい人の特徴
- 早く市場価値の高いスキルを身につけたい人
- 夜勤やルーチンワークが苦手な人
- 5年後・10年後のキャリアを考えたときに不安を感じる人
まとめ
運用監視オペレータは、IT未経験者が業界に入るための良い入り口である一方で、長く続ける場合にはいくつかの課題も存在します。
特に、キャリアアップの難しさやスキルの伸び悩み、夜勤の負担などを理由に、別の職種へ移ることを考える人は多いです。
一方で、スキルアップを意識しながら経験を積めば、運用保守エンジニアやクラウドエンジニアなどへの道も開けるため、単なる「続けるか・やめるか」ではなく、自分に合ったキャリアの選択を意識することが大切です。
この記事を参考に、自分の今後の方向性を考えるきっかけになれば幸いです。
運用監視オペレータからのキャリアアップには運用保守エンジニアという道が存在します。
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