運用保守エンジニアとして働いていて、キャリアの次のステップに悩むことはありませんか?
「自分のスキルは他の職種で通用するのか」「このまま運用保守を続けていてもいいのだろうか」といった疑問を抱える方も少なくないでしょう。
この記事では、実際に運用保守エンジニアとしての経験を活かし、新たなキャリアに挑戦した方々の事例をご紹介します。
転職によるキャリアアップだけでなく、同じ会社内でのジョブチェンジも含め、幅広い道筋を知ることで、あなた自身の未来の可能性を見つける手助けになるはずです。
それぞれの事例では、次の職場や環境、キャリアアップの経緯、必要なスキル、そしてその方々の個性についても触れています。
ぜひ、これらの実例を通じて、あなた自身のキャリアの指針を見つけてください。
目次
転職をした人の実例
Aさん:ITコンサルタントへの道へ
転職先や環境の変化
新卒から保守エンジニア経験4年のAさんは業種をガラッと変え、給与水準を上げているのが特徴です。
Before | After | |
企業 | SI(システムインテグレーター) | ITコンサルティング |
資本金 | 10,000百万円(グループ全体) | 282百万円 |
平均年収 | 800万円 | 1,100万円 |
職種 | システム保守エンジニア | ITコンサルタント |
職場 | 東京都内 | 東京都内 |
転職の経緯と理由
Aさんはとにかく給料を上げたいという理由が転職活動を始めたきっかけでした。
一時は同じ会社で出世コースを進み年収を上げることも考えたそうですが、上層の人員が飽和していてなかなか昇進しづらい状態であったことや現実的に昇進ルートで稼げる年収より、業種を変えて早く給与水準を上げた方が良いと判断したそうです。
Aさんの個性やスキル
ひと言でいうとドライな人です。
本人も自覚があり『感情に問いかけるようなプレゼンはこれからコンサルタントになるうえで最低限レベル身につける必要はありますね。』と語っていました。
Aさんは超論理的思考派で、お客さん(ユーザ)側へ説明するときも、数値化されたデータを用いて仮説を組み、相手を誘導していくのがとても得意でした。
ちなみに日本の私立大学TOP10位くらいに入る大学の文系出身です。
また技術分野ではアプリに対する知識に特化しており、若手にも関わらずシステム仕様の全体像を把握している数少ない人間の一人でした。
それ以外にも突発的なトラブルに対する対応の実施、チームメンバの管理スキルは突出したものがありました。
Bさん:SESからユーザ系企業の開発エンジニアへ
転職先や環境の変化
新卒から10年間、SES企業に勤め運用保守エンジニアがメインだったBさんは大手金融系のIT企業に転職をして、給与水準をかなり上げているのが特徴です。
Before | After | |
企業 | SES(システムエンジニアリングサービス) | ユーザ系IT企業(金融) |
資本金 | 50百万 | 1,500,000百万円(グループ全体) |
平均年収 | 550万円 | 1,000万円 |
職種 | SES | 開発エンジニア |
職場 | 東京都内 | 東京都内 |
転職の経緯と理由
Bさんが業務内容を変えたかったこととワークライフバランスを充実させたいという思いが転職のきっかけでした。
SES企業として様々な現場を渡り歩いた経験と人当たりの良さから転職前の会社で管理者としてのポジションを与えられた(つまり昇格)のですが、Bさん自身はもっと開発をゴリゴリしたいという思いがありました。
Bさんのような優秀な人に管理を任せたかった会社側とプレーヤーとして頑張りたかったBさんとの間にギャップが生じてしまっていたのです。
また、Bさんは家庭を持っており、突発的な休日駆け付けや夜勤が厳しくなったことも転職を考えたきっかけになっているとおっしゃられていました。
Bさんの個性やスキル
人当たりもよく誠実で一緒の現場で働いている時は、誰からも信頼されるような人でした。
その人柄ゆえ、新しい分野や幅広い業務を任されていました。
もともと文系の大学で一般的なランクも高くはない方でしたが、業務に真面目に取り組み知識を吸収していくスピードが速いという印象です。
BさんはSESとして金融系一筋ではありましたが、様々な現場を渡り歩いてきました。
同じ金融でも異なった環境(プログラミング言語)や設計に触れ、大手金融企業ものどから手が出るほど欲しくなるほどのスキルを身につけたのです。
社内でのジョブチェンジをした人の実例
Cさん:同じシステムの開発エンジニアへ
次の職場の業務内容や環境
新卒から3年間、運用保守エンジニアをしていたCさんは同じシステムの開発エンジニアへの道へ進みました。
オフィスも特に変更はなしですが、運用保守業務と比べて在宅勤務が多くなります。
(運用保守では週2 → 開発では週4 で 在宅勤務)
ジョブチェンジの経緯と理由
もともとCさんは開発エンジニアとしてのキャリア形成のため運用保守を経験したいため、運用保守エンジニア配属を希望していたそうです。
Cさんの個性やスキル
Cさんは大卒(MARCH)で文系出身でした。
文系出身でしたが、エンジニア気質が強い方で常に「まずは自分でやってみる」という意識があり、好奇心旺盛な方でした。
スキルがあることと頼りがいがあることから、Cさんにタスクが集中しすぎて、稼働的にも部門で問題になったりなんてこともありましたね。
とにかく障害対応や調査依頼に対し積極性があり、手を動かすのがとても速い方でした。
特にコマンド操作が早く、2年目の時点でコマンドにおいては中堅エンジニアに引けを取らないレベルに達していました。
しかも、WindowsやLinuxといったメジャーなOSではなく、あまりお目にかからないクセありのOSを使用しているシステムにもかかわらずです。
後々聞くと、時間が空いている時、開発環境で死ぬほど実機でコマンドを叩いて遊んでいたとか、、、。
Dさん:オンプレミスからクラウドシステムの運用保守エンジニアへ
次の職場の業務内容や環境
Dさんは、オンプレミスシステムからクラウドシステムの運用保守エンジニアへジョブチェンジしました。
オンプレミスからクラウドに変更したことで在宅勤務が多くなるかと思いきや、勤務形態はオンプレミス時代からほとんど変わらないとのことでした。
(チームによるものなのだなぁと感じた。)
ジョブチェンジの経緯と理由
もともと担当していたオンプレミスシステムの機能分割のような形でクラウドシステムが採用され、Dさんが運用設計に携わり、その経験をベースにクラウドシステムのエンジニアに転向しました。
あまりキャリア形成の中で「このIT技術を身につけたい」というものはなかったそうで、たまたまクラウド系の案件が降ってきて、流れに身を任せたという感じのようです。
Dさんの個性やスキル
平均的な私立大学卒(文系)のDさんは特定の技術特化ではなく、広く浅くを重視する思考の持ち主でした。
そのため独自OSを使用したオンプレミスシステムを経験してきましたが、一つの技術に固執して技術を極めたいという思いはあまりなく、会社の意向でクラウドエンジニアを進められても何も抵抗なく異動に合意したそうです。
その分プログラマーさんの管理やコントロールがとても上手で、自分のスキルが足りない分をうまく補完しているような形でした。
Eさん:同じ担当システムのPMOへ
次の職場の業務内容や環境
中途採用から3年、運用保守エンジニアをしていたEさんは同じシステムのPMOへの道へ進みました。
オフィスも特に変更はなしですが、Cさんのケース同様、運用保守業務と比べて在宅勤務が多くなります。
(運用保守では週2 → 開発では週4 で 在宅勤務)
ジョブチェンジの経緯と理由
業界未経験から中途で採用されたEさんは、運用保守エンジニアという立場でシステムマイグレーションプロジェクトに参画しました。
そのプロジェクトで、一時、PMOのような役割を経験したEさんはPMOという仕事のやりがいを知り、ジョブチェンジを進言したそうです。
Eさんの個性やスキル
平均的な私立大学卒(理系)のEさんは真面目でとても丁寧な仕事をする方でした。
そのため、若手時代からよくリーダーやサブリーダの仕事である調整系の仕事や進捗管理(WBS作成)を任されることが多かったそうです。
また物事を忖度なしで時にははっきりと、時にはオブラートに包み発言できる方で、確かにPMO向けな方だったなぁという印象もあります。
管理スキルだけでなくシステムのインフラ分野に強かったEさんはPMOのサポートをしながらトラブルシューティングも担当者としてこなすつわものでした。
Fさん:情報システム部門へ
次の職場の業務内容や環境
Fさんは運用保守エンジニアから情報システム部門へジョブチェンジをしました。
オフィスでの資産管理の仕事もあるため週1,2ほどの在宅勤務でそれ以外は極力出社をしているそうです。
ジョブチェンジの経緯と理由
Fさんはもともと運用保守エンジニア時代に運用端末(パソコン)などの周辺機器のリプレースを経験しており、PCの設定や資産管理についてのノウハウがあったため、情報システム部門にも興味があったことがジョブチェンジを考えたきっかけになったそうです。
Fさんの個性やスキル
上述しましたが、Fさんはシステムのアプリというよりは、難しいマニュアルを見ながらパソコンの設定やソフトウェアのインストールをするといった周辺を取り巻く資産を保守管理する業務経験が豊富でした。
パソコン(OS)に対する知識、一般的なソフトウェアから、ITエンジニアがよく使用するようなツールに対する知識は群を抜いていました。
また設定した内容を誰もができるようにドキュメント化できる、手順書や独自マニュアル作成能力にもたけていました。
また、とてもマメな性格で多くの人が面倒くさいと思う仕事も粛々とこなせる方でした。
明るい性格でコミュニケーション能力も高く、多くの人とかかわりがある情報システム部門に適任な方だと思っています。
まとめ
こうしてみると、運用保守エンジニアでは多種多様なキャリアアップができるするための土台作りに最適な仕事でもあると思いました。
現在、運用保守エンジニアとしてお仕事をしている方はぜひ自分のキャリア形成の参考に頂ければと思います。
本記事以外にも運用保守エンジニアの仕事内容やスキル、他職種との違いについても解説しておりますので、ぜひ以下リンクからご覧になってください。
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