『運用保守エンジニアってきついの?』
IT業界未経験からエンジニアになりたいと考えている方に向け、運用保守エンジニアとして従事した5年以上の経験をもとに「運用保守エンジニアのきつさ」について解説していきます。
本記事を読んでいただいて得た情報を運用保守エンジニアを転職先の職種として候補にいれるかの判断材料にして頂ければと思います。
目次
心身的なきつさ
深夜対応がある
何がきつい?
運用保守エンジニアはシステムを安定して稼働させ、ユーザに提供するサービスを止めないようにすることが大きなミッションです。
そのため、深夜帯にシステム障害やエラーがが発生するとシステムオペレータからの電話を取る必要があります。
担当するシステムにもよりますが、酷い時だと1週間毎日深夜に電話が鳴ることがあり慣れるまでは相当きついです。
私の会社では1週間交代制で、それを4、5人で回していきます。
(つまり、1か月に1週間くらいは深夜帯の電話がかかってくる可能性があるということ。)
とにかく睡眠の質が低下して日中にとても眠くなったり、体調不良になったりするのがきつい。
数年に1人くらい、電話を受けるのが嫌になり電話番のローテーションから外してもらっている方もいます。
乗り越え方
個人でできることは、とにかく人の何倍も生活習慣に気を付けることです。
必ずやるべきことは「睡眠時間の確保」です。
電話当番の週以外は十分な時間(7時間くらいがベスト)で良質な睡眠をとることを意識しましょう。
あとは、同じチームメンバと良好な関係を築いておくことが重要です。
私用や体調不良で自分がどうしても電話当番を外れたい事情がある時に、快く交代してくれるメンバがいれば心の余裕にもなります。
始めのうちは深夜帯の電話はきついですが、1週間のローテーションを4回以上こなせば慣れてくる人がほとんどです。
仕事も慣れてくれば、電話のやりとりもスムーズになりそれほど弊害が出なくなってきます。
人によっては耐え切れず、電話ローテーションから外してもらう方もいますが、毎年1人いるかいないかです。
ユーザからの重圧
何がきつい?
システム障害が起きた際に求められる早期復旧、動いて当たり前と思われてるシステムの運用保守、システムによっては人の命にかかわるようなシステムの運用保守。
これらの重圧がきつい。
例えば、秒単位で大きな損害につながるようなシステムの障害時にはユーザから心無いクレームを浴びせられることもあります。
「どうして使えないの?」、「早く復旧させてよ」、「どう責任取ってくれるの?」
その他もろもろ、ここでは書けないようなワードもしばしば…。
乗り越え方
『ユーザからの重圧が大きければ大きいほど運用保守しているシステムは世の中に必要とされている』
このような誇りをもって仕事をすると重圧は減らないにしてもモチベーションは維持ができます。
暑苦しいことを言っていますが、このマインドセットはシステム運用保守エンジニアとしてはとても重要!
上記は私の個人的な解決策で、周囲のエンジニア仲間を見渡すといろんな対処をしている方がいます。
- 障害対応をゲーム感覚で楽しむ猛者
- 愚痴をぶちまけて発散する人
- クレームをうまく受け流す人
やりがい的なきつさ
開発エンジニアより給料が低い
何がきつい?
一緒の現場で同じように仕事をしているはずなのに、開発エンジニアより運用保守エンジニアは給料が低い。
むしろ運用保守エンジニアの方がきつい仕事をしているのに…。
という現状がモチベーション低下につながることがあります。
上流工程の方が、生産価値は高いと言われることもありますが。
この件はまた別の記事で語ろうと思います。
乗り越え方
品質を維持したまま労働時間を減らすという方法があります。
基本的にシステム運用保守という仕事は、ルーティンや繰り返し作業が発生するため自動化という解決策との相性が抜群です。
自身の労働時間を下げてコスト削減を評価してもらい昇給を狙う、空いた時間で副業・キャリアアップ、プライベートを充実させるという方向に進んでいければ、開発エンジニアより給料が低いというモチベーション的なきつさは軽減できます。
下請け感がある
何がきつい?
下流工程を担当する運用保守エンジニアは上流工程を担当する開発エンジニアが作ったものを守っていくという仕事内容です。
捉え方によっては開発エンジニアの方が立場が上で、SIer企業であればさらに顧客がその上にいるという感覚になり、仕事へのモチベーションに影響します。
事実下請けではあるものの、一緒にシステム運用保守を担っていく立場としては対等であるべきなのに、なんか上から物を言われる状態にきつさをいる人が多いようです。
一方、開発エンジニアやユーザはいい人たちばかりなの、働いているうちに勝手に下請け感を感じている方もいます。
(私自身は後者です。)
乗り越え方
- システム運用保守はとても重要な仕事であることを自覚すること
- 開発エンジニアやユーザに「お客様教育」を行うこと
この2つがとても重要です。
自身が行っていることの社会的な影響を知らないまま仕事をしているシステム運用保守エンジニアは実はかなり多いです。
これを知っているか否かでは、仕事のモチベーションが異なってきます。
システム運用保守の重要性や大変さをお客様に理解してもらう。
言いずらいかもしれませんが、うまくこれを認識してもらえると、相手の接し方も大きく変化してきます。
泥臭い
何がきつい?
運用保守エンジニアはITエンジニアという大きなカテゴリに含まれる職種ですが、他のエンジニアに比べると地味な作業が多いです。
定例的な作業が多かったり、これ本当に意味あるの?と言いたくなるような作業が山ほどあります。
それを粛々とこなしていくのは、華やかなIT業界を想像している方にとっては結構きついことなのかなと思います。
私自身も、始めはこのギャップに苦しめられることもありました。
乗り越え方
自動化や効率化を推進して、泥臭い仕事を自らクリエイティブな仕事に変換していくこと。
どちらかというと勉強好きな人や活動的な人はこちらの方法は効果的です。
「やらされている」から「主体的に取り組む」という意識の変換がモチベーションの向上につながります。
技術スキルアップの限界
何がきつい?
運用保守エンジニアはその業務の特性上、専門的な技術スキルというよりヒューマンスキルのほうが求められます。
『ITエンジニアとして働くのであれば、技術的なスキルを磨いていき、自身の市場価値を上げていきたい!』
と考える方も多くいると思いますが、配属先によってはそれがかなわないことがあります。
乗り越え方
解決策は以下3つです。
- 講座や研修を受ける
- 薄く広く身につけることに特化する
- 部署移動を進言する
「講座や研修を受ける」
独学は難易度が高いので、オンライン講座や研修を受けることをおすすめします。
なるべく仕事にもつながる内容を勉強することをおすすめしますが、全然ジャンルを学ぶことも視野を広げるという面では効果があるので迷ったら受けてみる精神でもOKです。
「薄く広く身につけることに特化する」
IT業界の経験が浅い方もしくは未経験の方におすすめできる解決策です。
システム運用保守エンジニアは開発エンジニアより専門性の必要度が低いという特性から、複数のシステムの運用保守を受け持つことがあります。
すると、開発エンジニアより幅広な知識を身につけることが可能になるのです。
「部署移動を進言する」
なんやかんやで環境は自己成長に直結します。
個人の働きぶりや会社の都合によりますが、一番手っ取り早い方法なので、思い切ってみることも大切です。
まとめ
本記事を読んでいただいたことで、運用保守エンジニアのきつさについてご理解いただけたかと思います。
今回はネガティブ要素についての話がメインでしたが、新しい技術がどんどん生み出されITが生活に欠かせないものとなる中で運用保守エンジニアの仕事はとても重要視されています。
上記で解説したような「きつさ」がある中で、優秀な運用保守エンジニアがたくさん生まれるといいなと私は願っています。
運用保守エンジニアの仕事に少しでも興味が湧いた方、仕事内容や一日のスケジュールなどもう少し詳細な部分を見てみたくはありませんか?
以下のリンクから解説記事を閲覧できますので、ぜひ!!
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