AIが生活に組み込まれるようになっている現代社会において、AIについて正しい理解を持つことは非常に重要です。
しかし、実際にはAIについて深い知識を持っている人はまだまだ少ないのが現状です。
そこで、本記事ではAIの概要とその活用方法について解説していきます。
目次
本記事で覚えてほしいこと
本記事は『AIってよくわからないな~』と感じるレベルの方向けに作成していますが、初心者の方はAIのすべてを理解しようとは思わないでください。
かなり奥が深い世界なので間違いなく、途中で挫折してしまうでしょう。
以下の質問に回答できるようになれば十分、AIは何たるかを理解していると言えると思います。
今回は最終的に5つの質問に答えられるようになることを目標としましょう。
【回答できるようになりたい5つの質問】
・AIってひと言でいうと何?
・教師あり学習ってなに?
・教師なし学習ってなに?
・強化学習ってなに?
・AIって結局何の役に立つの?
AI(人工知能)とは?
概要
AI(Artificial Intelligence)は名前の通り、あたかも人間のような振る舞いをコンピュータやロボットが実現するためのプログラムのことを指します。
しかし人間の知能や振る舞いを実現すると言いつつ、実行させるジャンルによっては人間をはるかに凌駕するパフォーマンスを発揮するものもあるのです。
プロの将棋棋士が人工知能のプログラムに負けるというのも、その一例です。
AIの全体像
AIとよく似た言葉で「機械学習」や「ディープラーニング」などという言葉をよく耳にするかと思いますが、いずれもAIの一種にあたるモノなのです。
この辺りをよく理解できていないことがあるので、簡単に図で起こしてみました。
AIの全体像
AIの種類について
機械学習
機械学習は、コンピューターシステムが人に与えられたデータから自動的に学習し、パターンや規則性を抽出する技術です。
機械学習は教師あり学習(Supervised Learning)、教師なし学習(Unsupervised Learning)、強化学習(Reinforcement Learning)などの手法があります。
教師あり学習(Supervised Learning)
教師あり学習では、入力データ(特徴量)とそれに対する正解ラベル(ターゲット)のペアを用いて正解を導き出すようにコンピュータに学習させます。
例えば犬の画像に対して、「犬」というラベルを付けてコンピュータに大量のデータを読み込ませます。
そのようにして、犬の画像の特徴をコンピュータが認識できるようになり、
「犬」というラベルを付けない画像をコンピュータに見せて、『これは何?』と質問すると「犬」という回答を導き出せるようになるのです。
代表的な教師あり学習のアルゴリズムには、回帰(Regression)や分類(Classification)があります。例えば、線形回帰、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン(SVM)などがあります。
教師なし学習(Unsupervised Learning)
教師なし学習では、ラベルのないデータセットを用いてパターンや構造を見つけ出します。
例えばコンピュータに犬の画像と猫の画像を大量に読み込ませます。
大量にデータを読み込んだコンピュータは画像の特徴から、次第に「犬」と「猫」の違いを自分で理解するようになります。
ある程度データを学習させると、犬という画像を提示すると『これ犬のグループである』と分類ができるようになるのです。
代表的な教師なし学習のアルゴリズムには、k-meansクラスタリング、階層的クラスタリング、主成分分析(PCA)、t-SNE、アソシエーションルールマイニングなどがあります。
強化学習(Reinforcement Learning
プログラム自体が与えられた環境を観測し大量の試行と結果から、価値が最大化する行動を学習する方法です。
例えば将棋の盤面をコンピュータに読み込ませ、相手に勝つという「価値」を得るために試行を繰り返します。
何回も試行を繰り返すことで、その盤面ごとで最適な一手を割り出せるようになるのです。
代表的な強化学習のアルゴリズムには、Q学習、Deep Q-Network(DQN)、ポリシーグラディエント法(Policy Gradient)、強化学習における逆強化学習(Inverse Reinforcement Learning)などがあります。
ディープラーニング
ディープラーニングは、機械学習の中でもコンピュータが最適な回答を導き出すために、自らがアルゴリズム(導き方)の最適化を行うプログラムです。
コンピュータに大量のデータと導き方を与え、学習してもらうのが一般的な機械学習で、コンピュータに大量のデータとざっくりの導き方を与え、さらに導き方も自分で考えてね~と命令するのがディープラーニングなのだというイメージで覚えておくとよいでしょう。
AIの活用方法と重要性
AIの活用方法
データ解析
膨大なデータを高速かつ精度良く解析し、有益な情報やトレンドを抽出することができるため
人間が普段考えるようなビジネスの意思決定や戦略立案の補助的な役割を担ってくれます。
自動化
AIは繰り返し行われるタスクやプロセスを自動化することができます。
学習の精度を高めれば、今まで人間が実施してきた単純作業をコンピュータやロボットがすべて代わりに行ってくれるようになるのです。
パターン認識
画像認識や音声認識といった技術を用いて、パターンや特徴を認識することができます。
この特性を活かせば、商品や情報の傾向をコンピュータが読み取りいつもと違うパターン(何らかの異常)を検知してアラートを上げることで、品質管理やセキュリティ監視などの領域で活用できます。
AIを学ぶことの重要性
ビジネスの発展
AIはさまざまな業界での活用が進んでおり、効率化や生産性の向上、新たなビジネスモデルの創造などに貢献しています。
AIの基礎知識を持つことで、ビジネスにおいてAIを活用する可能性や機会を見つけ出すことができるようになるのです。
個人の市場価値を上げる
AI技術に精通し、AIツールやプログラミングを扱うことで、自身のスキルセットを拡大し、将来のキャリアの選択肢を広げることができます。
前述している通りビジネスの発展にはAIは欠かせない存在になりつつあるため、基礎知識はもはや必須になっていく可能性もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
AIは便利である一方で、その概要や本質を分かっていないと一転して悪影響を及ぼしかねない技術なのです。
ただ、応用ができるようになると私たちの生活をさらに豊かにしてくれるものです。
本記事を読んでAIについて興味を持ったら、ぜひさらなる学習をして自分の生活や仕事に取り入れてはいかがでしょうか?
本記事以外にもシステムエンジニアに必要なスキルなどを紹介していますので、ぜひそちらもご覧になってみてください!
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