オフィスに常駐して監視業務を行うイメージが強い運用保守エンジニアですが、果たしてテレワークは可能なのでしょうか?
運用保守エンジニアとして就職や転職を考えている方にとって、この疑問はとても重要なポイントですよね。
今回は、現役運用保守エンジニアの私、いけやんが「テレワークは実現できるのか?」というテーマについて、現場の実情やテレワークとの相性を徹底的に解説します!
これを読めば、運用保守エンジニアとしての働き方が自分に合っているかどうか、判断するための重要なヒントが得られるはずです。
目次
結論:運用保守エンジニアはテレワーク可能か?
結論から言うと、運用保守エンジニアはテレワークが可能です。
コロナ蔓延(2019年末~)を機にテレワークが急速に普及しました。
私の会社は当時、管理職を対象にテレワーク適応の検証が始まったばかりの状態でしたが、業務への適応できるか云々は二の次で、全社員を対象にテレワークの導入が開始されました。
皮肉な話ですが、業務特性上テレワークが難しいと言われていた運用保守エンジニアでしたが、環境の変化に後押しされ「え、意外とテレワークできるじゃん。」という事に気づけたのです。
ただ、現状はテレワークができるかできないかは、企業の方針や業務特性によって大きく変動します。
以降では、業務特性に対するテレワーク実施可否を詳細に解説していきます。
業務内容とテレワーク可否の関係
運用保守エンジニアの仕事には業務内容によって、テレワークで実施可能なものとテレワークできないものに分けられます。
分類をして詳しく解説していきます。
業務とテレワークの関係性について理解を深めて、求人情報に記載してる仕事内容からテレワークできそうか否かの感覚を掴めるようになりましょう。
- 本番環境
ユーザーが実際にシステムやソフトウェアを利用する環境。
ソフトウェアの開発では、最終的に本番環境へ「デプロイ」または「デプロイメント」を行う。
本番環境では、ユーザーに対する信頼性とパフォーマンスが求められる。 - 開発環境
開発者がシステムやソフトウェアを開発するための環境。
自由に変更や実験が行えるが、安定稼働は重視されない。
開発環境では創造性と迅速なフィードバックが重視される。
テレワークが可能な業務
テレワークが可能な業務は、特別なアクセス制限がない環境やセキュリティが比較的緩い開発環境での作業が多く、オフィスにいなくても実施できるかが判断基準になります。
システムの監視やメンテナンス業務でも運用監視オペレータに電話やチャットで依頼できるような内容であれば、自身がオフィスに赴く必要はありません。
また、運用設計や運用構築などといった業務も、ドキュメント作成や会議、資料の整理などがメインで、オフィスにいる必要がないため、リモート勤務が可能です。
運用テストやシステムテストも、開発環境での作業が中心となるため、インターネット経由でアクセスすることでテレワークを実現できます。
テレワークができる業務の具体例
-
- システムモニタリング
専用の監視ツールやアラートシステムがあれば、リモートで監視が可能です。
異常を検知した際に、電話やチャットで通知を受け、リモートで対応できます。 - ユーザーサポート
ほとんどの問題解決はリモートで行うことができ、開発環境での作業が多いため、オフィスに出勤しなくてもサポート業務をこなすことができます。 - 運用設計
会議や文書作成が主な作業内容となるため、自宅でも問題なく行えます。
設計内容のレビューや調整もオンラインで行えます。 - 運用構築
開発環境での作業が多く、作業内容にセキュリティ上の問題がなければ、テレワークが可能です。
定期的にオンライン会議を開き、進捗報告や調整を行うことができます。
- システムモニタリング
テレワークができない業務
テレワークが難しい業務は、セキュリティが厳しく、提供中のサービスが稼働しているシステム(本番環境)にアクセスする必要がある業務です。
これらの業務は、現場でしか対応できないことが多く、テレワークの導入が難しい状況にあります。
例えば、システムのアップデートやトラブルシューティングなど、本番環境にアクセスする必要がある業務は、リモートで行うことができません。
特にセキュリティが強化されたネットワークや、物理的な設備が必要な場合、テレワークではカバーしきれません。
さらに、運用受け入れ業務も、現場での確認やアクセスが求められるため、テレワークでは対応が難しいです。
これらの業務は、企業のセキュリティポリシーに基づき、直接オフィスやデータセンターに出向く必要があります。
テレワークができない業務の具体例
-
- トラブルシューティング
本番環境で起きた問題には、リアルタイムでアクセスし、サーバやネットワークの状態を確認しなければならない場面が多いため、テレワークでは対応が難しいです。
現場で直接設備や機器を確認することが必要になります。 - システムアップデート
システムのアップデートは、通常、本番環境へのアクセスや、リモートで操作できないシステム管理の作業が含まれます。
特にセキュリティ対策が厳しい場合、物理的にオフィスに行って作業する必要があります。 - 運用受け入れ
運用受け入れ作業は、本番環境での確認や調整が必要なことが多く、セキュリティが強化された環境下で行うため、テレワークでは実施が難しいです。
- トラブルシューティング
テレワークを実現するための工夫
運用保守エンジニアはテレワークが可能と言いましたが、チームメンバが平等にテレワークを実施するには工夫が必要なります。
トラブルシューティングやシステムアップデートのような現場での作業が必要な業務については、チームメンバーとローテーションを組んで、リモートワークを取り入れる日程を調整します。また、オフィスに出勤する頻度を減らすため、メンバー同士で役割分担をし、現場での作業が必要な部分だけを担当するようにすることも一つの方法です。
さらに、業務の進捗やトラブル状況をリアルタイムで共有できるツールを活用し、リモートでも円滑にコミュニケーションを取れる環境を整えることが重要です。
例えば、チャットツールやビデオ会議を活用して、問題解決に必要な情報をスムーズに共有することができます。
運用保守エンジニアの働き方の未来
テレワークの普及は、今後ますます進んでいくと予想されます。
AIや自動化の進展により、運用保守業務の中でもリモートで対応できる範囲が広がるでしょう。
上記で上げたテレワークができない業務もいずれは、プログラムやロボットが実施するようになり、人間が実施しなくてもよくなるという未来もそう遠くないと思っています。
これにより、エンジニアの働き方はますます柔軟になり、オフィスに常駐する必要がなくなる可能性が高いです。
まとめ
テレワークを希望する場合、企業のテレワーク方針や業務内容を理解した上で、キャリアパスを選ぶことが重要です。
今回の記事の要点を再度振り返りましょう。
- 業務内容によってはテレワークできないこともある
- 本番環境へのアクセスを伴う業務はテレワークできないことが多い ←将来はできるかも
- ドキュメント作成や会議を伴う業務はテレワークできる
- メンバ内でローテーションなどを工夫すればテレワークは可能(週2~3は固い)
上記を理解したうえで、運用保守エンジニアを就職先、転職先の候補としてあげようと思っていただけましたら、ぜひ以下の記事もご覧になってください!

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