「相手に物事を伝えるのが難しい」と感じることはありませんか?
言語化能力は、仕事でも日常生活でも欠かせないスキルです。
しかし今、私たちの 「言葉にする力」 が確実に低下しつつあります。
その背景にあるのが、生成AIとSNSの普及 。
AIは数秒で文章を作り、SNSでは短い言葉やスタンプだけで意思疎通ができます。
気づかないうちに、私たちは 「自分の言葉で考え、伝える」 機会を失っているのかもしれません。
このままでは、私たちの言語化能力はどうなってしまうのか?
今回は、生成AIやSNSがもたらす言語化能力低下の問題やリスクについて考えていこうと思います。
目次
言語化能力低下の背景
今、言語化能力の低下の原因としてホットな要素が2つあります。
- SNS普及による短文コミュニケーションの浸透
- 生成AI、SNS普及による自我の無いコミュニケーションの浸透
まずは、上記2つの要素の背景について解説していきます。。
短文コミュニケーションの浸透の背景
SNSの普及により、短文でのコミュニケーションが当たり前になっています。
特にX(旧Twitter)、Instagram、TikTok、LINEなどのプラットフォームでは、数秒で情報を伝えられることが重視され、長文を読む・書く機会が減っています。
一見、効率的なように思える短文化ですが、その影響は決してポジティブなものばかりではありません。
むしろ、私たちの思考力・表現力・人間関係・社会全体に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
自我のないコミュニケーションの背景
生成AI(ChatGPT、Gemini、Claudeなど)の進化やSNSの発達により、私たちは「考えなくても発信できる時代」に突入しました。
便利である一方で、「自分の言葉で話す・書く」というプロセスが省略され、「自我のないコミュニケーション」が広がりつつあります。
自我のないコミュニケーションとは、「自分で考えずにAIの文章をそのまま使う」「SNSでの流行フレーズやテンプレートに依存する」といった現象を指します。
これが進むと、私たちの思考・表現・人間関係に大きな影響を与える可能性があります。
言語化能力低下によるリスク
思考力の低下
本来、言葉を生み出すには「考える→整理する→表現する」というプロセスが必要です。
しかし、短文コミュニケーションに慣れると、深く考える機会が減り、思考が浅くなります。
さらに、AIに頼れば、自分で考える必要すらなくなり、「何となくそれっぽい言葉」を使うだけの状態に陥ります。
これが続くと、論理的に説明する力が弱まり、「なぜそう思うのか?」を言葉にできなくなります。
結果として、ビジネスや学習の場面で説得力のある発言ができなくなってしまうのです。
表現力の低下
SNSでは「ウケる」「エモい」「草」など、感情を短く伝えるフレーズが定型化され、それに頼ることで豊かな表現が失われていきます。
一方で、生成AIは「誰にでもわかりやすい文章」を作ることに優れていますが、それが逆に「無個性な表現」につながります。
自分で言葉を選ばず、AIが作った文章をそのまま使うことに慣れると、「自分の言葉」がどんどん失われていきます。
表現が単調になれば、相手に伝わる感情も薄まり、人と人とのつながりは表面的なものになってしまいます。
コミュニケーションの質の低下
短文化は、人間同士の対話の質を大きく損ないます。
短文ではニュアンスが伝わりにくく、誤解やすれ違いが生まれやすくなります。
さらに、SNSでは「みんなが使っている表現」に合わせる傾向が強まり、自分の本音を語ることが減ります。
「無難な言葉」「流行りのフレーズ」「テンプレ的な会話」が増え、人間関係が表面的になっていくのです。
結果として、「何を伝えればいいかわからない」「どう話せばいいかわからない」という状態に陥り、リアルな場でのコミュニケーションすら困難になる人が増えています。
社会全体の知的レベルの低下
言語化能力の低下は、個人だけでなく社会全体にも影響を及ぼします。
短文による情報の断片化と、AIによる画一的な文章が増えることで、深い議論が生まれにくくなります。
政治・経済・社会問題など、本来は複雑な背景を持つトピックも、「キャッチーなフレーズ」や「SNS映えする意見」に引っ張られ、浅い理解のまま拡散されていきます。
その結果、「本当に重要なこと」が語られなくなり、表面的な情報だけが独り歩きする社会になってしまうのです。
まとめ
言葉が奪われることで、私たちは自分自身を見失い、他者と深く理解し合う機会を失っています。
短文コミュニケーションとAI依存が進むほど、私たちは「言葉を使わなくてもなんとかなる」という錯覚に陥ります。
しかし、その先にあるのは、自分の考えを持てないまま、他人やAIの言葉に流されるだけの社会です。
では、どうすればこの状況を変えられるのか?
次回は、言語化能力を取り戻す方法について具体的に考えていきます。
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